適応障害やうつ病などの精神疾患は、その時によって症状の振り幅が大きく、比較的調子が良い時と悪い時との差が激しい、という特徴があるかと思います。
これは自分では、なかなかコントロールするのが難しいところです。そして、この症状の振り幅のギャップが、またストレスに繋がっている、という一面もあるかと思います。
適応障害やうつ病などは、どのように良くなっていくのか? 完全に治るのはいつなのか?こんな不安がいつも付きまといます。
この不安と向き合うために、精神疾患の療養で僕が大切と感じている2つの事について書いていきます。
適応障害・うつ病の回復の仕方
適応障害やうつ病などの精神疾患の回復の仕方は一定の流れがあるようです。もちろん個人差はあるとは思いますが、回復までのある程度の流れを知っておくと不安の解消にも繋がりますよね。
精神科の受診や薬の服用、生活・職場環境を整える事からまず治療を始める事になるかと思います。僕の場合は、薬の服用と休職が適応障害の治療のスタート地点です。
実際に休職に入って感じた事は、やはりそう簡単にスムースに治ってくれるものでは無いんだな、という印象です。
休職して感じた事の記事はこちらをご覧下さい。
と言うのも、精神疾患の特徴として、症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す、いわゆる揺り戻しと言われる症状があるためです。
何故、順調に右肩上がりで症状が治っていかないのでしょうか?これには、実は身体の仕組みが関係しています。
一定の期間、心の病になっていると、身体の方ではその状態を平常運転と認識してしまいます。それ故に回復に向かっている状態を変化と捉えて、前の状態(病の状態)に戻そうとするのです。
これを恒常性=ホメオスタシスと言います。この仕組み自体は人間や動物が安定して生きていく為には必要な調整機能です。
急激な変化は心身に大きなストレスを与える事から、一定の状態を保とうとするわけですね。
この恒常性=ホメオスタシスが、精神疾患の症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す原因となっています。
つまり、症状が良くなったり、悪くなったりするのは、身体にとっては必要な反応であって、この揺り戻しを繰り返しながら、少しずつ調子を整えて本来の状態に戻していく事になるのです。
一気に症状が良くならずに、イライラしてしまったり、不安になってしまう事もありますが、この揺り戻しの事を知っていれば、少し不安も解消されるのではないでしょうか。
適応障害やうつ病などの精神疾患では、今日より昨日の方が調子が良い、なんて事は結構あるように感じます。
不安に思う気持ちはありますが、「出来る日もあれば、出来ない日もあるさ」くらいに、思っておくと、気持ちも楽になり良いと思います。「ま、いっか」の精神ですね。
療養で大切なこと① 精神疾患は完治よりも安定を目指す
病気やケガをした時に使われる<完治>という言葉。読んで字のごとく、完全に治るという意味ですが、精神疾患に、この完治という言葉のイメージは求めない方が良いと思います。
完治=二度もう精神疾患にはならない、という事では無いからです。
完全に治る、その方が確かに良いかも知れません。ですが、前述したように、精神疾患はゆっくりと、振り戻しを繰り返しながら調子を整えていくものです。
ですから、一定の時間を掛けて、少しずつ心の安定を目指していく事が大切だと思います。自分にとって心が安定する条件や環境などを、手探りしながら見つけていく事が必要だと思います。
この心の安定を意識的・無意識的にある程度コントロール出来るようになれば、再発の可能性を低くする事が出来ると思います。
もう治ったからと言って、精神疾患になる前と同じような生活スタイルに戻ったのでは、また再発する可能性も高くなると思います。
だから、自分なりの心の安定を目指すことが大切だと感じています。
療養で大切なこと② 療養生活を頑張らない
誰しも病気は早く治したい!と願うものです。そのために病気療養を一生懸命になって気を張って、頑張ってしまう方も多いかと思います。僕も最初はそうでした。
ですが、最近、その考え方が少し変わってきました。今は療養を頑張らない、という緩い考え方にシフトしています。
きっかけは友人に言われた言葉です。その言葉とは「気を張りすぎ、力が入り過ぎって感じがするぞ、焦ったってしょうがないだろ、落ち着けよ」でした。
そう、僕は焦って、適応障害を早く治して、直ぐにでも転職や復職をしないといけない、結果を出さないといけない、と勝手に思い込んでいたのです。
確かに将来的な不安や、経済的な不安はあります。でも、今直ぐに生活が破綻するわけでは無いのです。一定の時間的・経済的な猶予はあります。
心や身体が弱っている時に無理に頑張ろうとすると、その事がストレスとなり、免疫力が下がり、結果、自然治癒力も下がるという科学的な見解もあります。
この友人の言葉のおかけで、今は少し力の抜き方が分かってきた気がします。そして、そのリラックスした状態の方が、今までやる気が出なかった趣味を楽しめるようになってきています。
インターネットで映画を見たり、漫画を読んだりと、一見すると時間を潰しているだけのような時間も心地よく感じるようになってきました。
実はこういった何でもない時間を楽しく、心地よく感じる事自体が療養に繋がっているのだと思います。